依頼内容が揃わず、確認の往復で対応が遅れる
「パソコンの調子が悪い」「設定を変更してほしい」と連絡を受けても、対象となる機器や現在の症状、業務への影響が分からなければ、すぐに対応を始めることはできません。
必要な情報が不足していると、依頼者への確認が何度も発生し、対応開始までに時間がかかってしまいます。
電話、メール、口頭など、どの方法で相談を受けた場合でも、必要な情報を同じ項目で記録できるようにしておくことが大切です。
困りごとが起きる背景
依頼する人にとっては状況が分かっていても、対応する人には必要な情報がうまく伝わっていないことがあります。
受付時に確認する項目が決まっていないと、担当者によって聞く内容がばらついてしまいます。その結果、依頼を受けた後になって不足している情報が見つかり、確認のやり取りが増えていきます。
また、依頼者が希望する作業と、実際に必要な対応が一致しているとは限りません。
現在の状態や業務への影響を確認しないまま作業を始めてしまうと、対応範囲の行き違いや、想定していなかった追加作業が発生しやすくなります。
よくあるつまずき
IT相談や作業依頼の受付では、次のような情報不足がよく起こります。
- 対象となるパソコンや機器が分からない
- 利用しているソフトやサービスが分からない
- いつから、どのような症状が出ているのか記録されていない
- 症状が発生する操作や条件が分からない
- 一人だけの問題か、会社全体への影響か分からない
- 業務を継続できるかどうかが伝わっていない
- 希望する期限や、作業のために業務を止められる時間が分からない
- 誰が依頼内容を確認し、変更を承認するのか決まっていない
- どの状態になれば対応完了なのか決まっていない
- 追加の相談が同じ依頼に混ざり、対応範囲が広がっている
情報が揃っていない状態では、対応の優先順位も作業範囲も判断できません。
確認せずに見切り発車で進めるのではなく、対応開始前に必要な情報を揃える仕組みが必要です。
整備の進め方
まず、現在どのような方法でITの相談や依頼を受けているかを確認します。
受付方法を一つに絞り込む必要はありません。
電話、メール、口頭など、どの方法で連絡が来たとしても、最終的に必要な情報を一か所へ記録できる流れを整えます。
受付時には、主に次の内容を確認します。
依頼者の情報
依頼者の氏名、所属、連絡先を記録します。
依頼内容について追加確認が必要になったとき、誰へ確認すればよいかをはっきりさせておきます。
対象となるもの
対象となるパソコン、周辺機器、ソフト、クラウドサービス、アカウントなどを確認します。
機器名や管理番号など、社内で対象を特定できる情報があれば、あわせて記録しておきます。
現在起きていること
表示されているメッセージや症状、発生する操作、発生した時期を確認します。
可能であれば、画面の写真やスクリーンショットも残しておきます。
業務への影響
一部の作業だけに影響しているのか、業務全体が止まっているのかを確認します。
ほかのパソコンや方法で業務を継続できるかどうかも、対応の優先順位を判断する材料になります。
希望する期限
いつまでに確認や対応が必要なのかを記録します。
希望する期限と、実際に対応可能な時期は分けて管理します。
受付の時点で対応日や完了時期が確定していない場合は、未確定のまま記録し、確認後に決めていきます。
希望する対応内容
何に困っているのかだけでなく、依頼者がどのような状態を希望しているのかも確認します。
ただし、具体的な作業内容や対応可否は、実機や現在の構成を確認したうえで確定します。
完了を判断する条件
何ができるようになれば対応完了とするのかを、あらかじめ整理しておきます。
完了条件を決めておくことで、依頼者と対応者の間で認識がずれるのを防げます。
整備後に目指す状態
受付時に必要な情報が揃っていれば、対応する人も現在の状態を把握しやすくなります。
業務への影響や希望期限をもとに、どの依頼から確認すべきかを判断できます。
依頼内容、対応範囲、完了条件が記録されていれば、担当者が変わったとしても、これまでのやり取りを確認しながら対応を引き継げます。
また、対応開始前に不足している情報を確認できるため、作業中の行き違いや、想定していなかった追加作業も切り分けて扱いやすくなります。
目指すのは、連絡を受けた人の記憶や経験だけに頼るのではなく、必要な情報を確認したうえで対応を始められる状態です。
その場限りで終わらせないために
受付項目は、一度決めたら終わりというものではありません。
確認の往復が多かった依頼や、対応範囲に行き違いがあった依頼を振り返り、どの情報が不足していたのかを記録していきます。
不足しやすい情報の傾向が分かれば、次回から受付時に確認する項目へ加えていくことができます。
追加の相談が発生した場合は、元の依頼へそのまま混ぜ込まず、別の依頼として記録します。これにより、当初の対応範囲と追加内容を分けて判断できるようになります。
アーテック福岡では、相談を受けて個別の作業を行うだけでなく、受付時の確認項目、対応範囲、完了条件、追加依頼の扱い、対応記録までを会社のIT環境整備として整えていきます。