障害時に何から確認すればよいか分からない
パソコン、ネットワーク、業務ソフト、クラウドサービスに不具合が起きたとき、最初に何を確認するかが決まっていないと、対応する人によって確認の順番が変わってしまいます。
思いついた操作を次々と試しているうちに発生時の状態が変わってしまい、かえって原因を切り分けにくくなることもあります。
障害が起きたときに確認する項目と順番を決めておき、確認した結果を記録できるようにしておくことが大切です。
困りごとが起きる背景
ITの不具合は、パソコン本体、周辺機器、ネットワーク、アカウント、業務ソフト、外部サービスなど、さまざまな場所で発生します。
画面に表示された症状だけでは、どこに問題があるのか判断できないこともあります。
確認手順が決まっていないと、再起動や設定変更を先に行ってしまったり、複数の箇所を同時に変更してしまったりして、どの操作によって状態が変わったのか分からなくなってしまいます。
また、発生時刻や直前の変更内容が記録されていなければ、社内担当者や外部の保守会社へ状況を正確に伝えることも難しくなります。
よくあるつまずき
障害時の一次確認では、次のようなことが起こります。
- 何から確認すればよいか分からない
- 表示されたメッセージを記録せずに画面を閉じている
- 発生した時刻や直前の操作が残っていない
- 一台だけの問題か、複数の機器で起きているのか分からない
- パソコン、ネットワーク、ソフトのどこに問題があるか整理できない
- 複数の設定を同時に変更している
- 再起動や初期化を先に行い、発生時の状態を確認できなくなる
- 誰がどの確認を行ったのか記録されていない
- 一時的に使えるようになったことで、対応完了としている
- 次に誰へ確認を依頼するのか決まっていない
一次確認の目的は、その場で必ず原因を特定することではありません。
現在起きていることを変えない範囲で確認し、次の判断に必要な情報をそろえることが重要です。
整備の進め方
まず、社内で起こりやすい障害と、現在どのように対応しているかを確認します。
そのうえで、障害発生時に確認する項目と順番を整理していきます。
発生した状態を残す
最初に、発生した日時、利用者、対象となる機器やサービス、表示されたメッセージを記録します。
画面にエラーが表示されている場合は、文字を書き写すだけでなく、可能な範囲で写真やスクリーンショットも残しておきます。
何をしたときに症状が出たのか、同じ操作で再び発生するのかもあわせて確認します。
影響している範囲を確認する
一人だけに起きているのか、同じ部署や会社全体に起きているのかを確認します。
一台のパソコンだけで起きている場合と、複数の機器で同時に起きている場合とでは、次に確認する場所も変わってきます。
どの業務が止まっているのか、別の方法で業務を続けられるのかもあわせて記録します。
復旧の優先順位は、影響範囲や業務上の期限を確認したうえで決めます。
直前の変更を確認する
症状が発生する前に行った操作や変更を確認します。
主な確認対象は、次のとおりです。
- ソフトやOSの更新
- 機器やケーブルの交換
- ネットワーク設定の変更
- アカウントや権限の変更
- パスワードの変更
- 新しいソフトや周辺機器の追加
- 契約やライセンスの変更
変更した事実だけでなく、変更した日時と担当者もあわせて記録しておきます。
確認する場所を分ける
確認対象を一度に変更するのではなく、場所ごとに分けて状態を確認します。
例えば、次のように整理します。
- 電源やケーブルなどの接続状態
- パソコンや周辺機器の状態
- 有線LANやWi-Fiなどの通信状態
- アカウントや認証の状態
- 業務ソフトやクラウドサービスの状態
- 同じ環境を利用しているほかの機器の状態
一つ確認するごとに結果を記録し、正常だった箇所と追加確認が必要な箇所を分けていきます。
具体的な操作や対応可否は、実機や現在の構成を確認したうえで確定します。
変更を伴う操作を分ける
再起動、設定変更、更新の削除、初期化、アカウント変更などは、現在の状態を変えてしまう操作です。
業務やデータへ影響する可能性がある場合は、その場の判断で進めず、対象、影響、元に戻す方法、承認の要否を確認します。
一次確認と、状態を変更する復旧作業を分けておくことで、確認途中の情報が失われるのを防ぎやすくなります。
確認結果と次の行動を記録する
確認した項目ごとに、結果と次に確認することを記録します。
原因が確定していない場合は、推測をそのまま確定事項として残すのではなく、確認できた事実と考えられる範囲を分けておきます。
社内で対応を続けるのか、外部へ確認を依頼するのか、業務上の判断が必要なのかもはっきりさせておきます。
整備後に目指す状態
確認手順が整理されていれば、障害が起きたときに、最初に何を確認すればよいかが分かるようになります。
確認する順番がそろえば、担当者ごとに異なる操作を行ってしまうことが減り、現在の状態を保ちながら情報を集めやすくなります。
確認結果が記録されていれば、担当者が変わった場合や外部へ対応を依頼する場合でも、どこまで確認したのかを引き継げます。
目指すのは、詳しい人の経験だけに頼るのではなく、確認済みの事実をもとに次の対応を判断できる状態です。
その場限りで終わらせないために
障害対応が終わった後は、実際に役立った確認項目と、不足していた情報を振り返ります。
確認に時間がかかった箇所や、担当者によって判断が分かれた箇所があれば、一次確認の手順へ加えていきます。
同じ症状が再び発生した場合に備え、発生した状態、確認結果、実施した対応、対応後の状態を記録しておきます。
一時的に使えるようになった場合も、原因や再発の可能性が未確認であれば、恒久的な対応とは分けて管理しておきます。
アーテック福岡では、障害への個別対応だけでなく、最初に確認する項目、確認の順番、変更を伴う操作の扱い、対応結果の記録までを会社のIT環境整備として整えていきます。