担当者が分からず、社内調整に時間がかかる
ITに関する相談や作業依頼が発生したとき、誰に確認し、誰が対応するのかが決まっていないと、社内で依頼があちこち行き来してしまいます。
相談を受けた人が複数の担当者へ確認したり、対応できる人を探し回ったりしているうちに、着手そのものが遅れてしまうこともあります。
依頼の種類ごとに、受付する人、内容を確認する人、実際に対応する人、承認する人を整理し、迷ったときの確認先まで決めておくことが大切です。
困りごとが起きる背景
中小企業では、パソコン、ネットワーク、業務ソフト、アカウントなどの管理を、社長や総務担当者がほかの業務と兼任しているケースも少なくありません。
IT相談の担当者がはっきりしていないと、相談を受けた人が詳しそうな人へ直接依頼したり、以前対応してくれた人へ問い合わせたりしがちです。
その結果、相談の内容によって窓口や対応者が変わり、誰が現在の状況を把握しているのか分からなくなっていきます。
また、相談を受ける人、作業する人、変更を承認する人が分かれていないと、本来は確認が必要なはずの設定変更や契約変更まで、その場の判断で進んでしまう可能性があります。
よくあるつまずき
IT相談の担当や役割が整理されていないと、次のような問題が起こります。
- 誰に相談すればよいか分からない
- 相談を受けた人が対応者を探している
- 同じ内容を複数の人へ確認している
- 依頼した後、誰が対応しているのか分からない
- 内容を確認する人と、作業する人が分かれていない
- どの変更に承認が必要なのか決まっていない
- 担当者が不在のときに依頼が止まる
- 外部の保守会社や販売会社への連絡担当が分からない
- 対応状況や完了報告の連絡先が決まっていない
- 担当者の経験や記憶だけで振り分けている
担当者の名前だけを決めても、対応できる範囲や承認が必要な内容が分からなければ、社内調整の手間はなかなか減りません。
整備の進め方
まず、社内で発生しているIT相談や作業依頼を確認し、内容ごとに必要な役割を整理します。
すべての相談を一人で抱え込むのではなく、受付、確認、対応、承認という役割に分けて考えます。
受付する人
電話、メール、口頭などで届いた相談を受け付け、依頼内容を記録する人を決めます。
受付する人が、その場で技術的な判断まで下す必要はありません。
対象となる機器やサービス、現在の症状、業務への影響、希望する期限など、確認に必要な情報をそろえて次の担当者へ渡します。
内容を確認する人
依頼内容を確認し、誰が対応するのか、追加確認が必要か、承認が必要かを整理する人を決めます。
依頼内容が不足している場合や、対応範囲がはっきりしない場合は、作業を始める前に確認をとります。
実際の対応方法や対応可否については、実機や現在の構成を確認したうえで確定します。
対応する人
確認された内容にもとづいて、調査や作業を行う人を決めます。
対応する人には、依頼内容、対象、作業範囲、完了条件を伝えておきます。
作業中に別の問題や追加依頼が見つかった場合は、当初の依頼へそのまま含めず、確認が必要な内容として分けて記録します。
承認する人
費用、契約、機器購入、アカウントの追加や削除、権限変更、業務に影響する設定変更など、社内判断が必要な内容の承認者を決めます。
何を承認するのか、どの情報を確認して判断するのかも、あわせて整理しておきます。
承認が必要な内容をはっきりさせておくことで、作業者だけに判断を委ねずに進められます。
不在時の確認先
担当者や承認者が不在のとき、誰へ確認すればよいかを決めておきます。
代わりに判断できる範囲と、担当者が戻るまで保留しておく内容とを分けておきます。
不在時の対応方法が決まっていない場合は、無理に進めようとせず、現在の状況と保留の理由を記録しておきます。
相談内容ごとに役割を整理する
相談の種類によって、必要な担当者や承認者は変わってきます。
例えば、次のように分けて確認します。
- パソコンや周辺機器の不具合
- ネットワークやWi-Fiの問題
- 業務ソフトやクラウドサービスの相談
- アカウントの追加、変更、削除
- アクセス権限の変更
- 機器やサービスの購入
- 契約内容や利用料金の変更
- データの削除や移動
- 外部業者への問い合わせ
相談内容ごとに、最初の確認先、対応する人、承認が必要な条件を一覧にしておくと、依頼を振り分けやすくなります。
ただし、細かく分けすぎると運用そのものが複雑になってしまうため、現在発生している相談をもとに、必要な範囲から整えていきます。
整備後に目指す状態
担当と役割が整理されていれば、相談を受けた人も、次に誰へ渡せばよいか判断しやすくなります。
確認する人、対応する人、承認する人が分かれていれば、技術的な作業と会社としての判断を混同せずに進められます。
担当者が不在の場合も、代わりの確認先や保留する条件が分かっているため、依頼が行方不明になるのを防ぎやすくなります。
また、受付から完了報告までの担当を記録しておくことで、誰がどこまで対応しているのかを確認できます。
目指すのは、詳しい人をその都度探し回るのではなく、相談内容に応じた担当と確認の流れが見える状態です。
その場限りで終わらせないために
担当者や役割は、一度決めたら終わりというものではありません。
担当者の変更、利用するサービスの追加、社内体制の変化に合わせて見直していきます。
社内調整に時間がかかった依頼があった場合は、どの段階で確認先が分からなくなったのかを記録しておきます。
その記録をもとに、担当一覧、承認が必要な条件、不在時の確認先を更新していきます。
アーテック福岡では、IT相談を受けて個別に対応するだけでなく、受付する人、内容を確認する人、対応する人、承認する人、迷った場合の確認先までを会社のIT環境整備として整えていきます。