データの保存場所が分からない
業務で使うデータが、各パソコン、共有フォルダー、クラウドサービス、メールなどに分かれていることがあります。
必要な資料を探せても、その場所が会社として決めた保存先なのか、担当者が一時的に置いた場所なのかが分からなければ、安心して利用することはできません。
まずは現在の保存場所を確認し、業務で使う正式な保存先、個人作業中の保存先、一時的な受け渡し場所を分けていくことが大切です。
困りごとが起きる背景
データの保存場所は、パソコンやサービスを導入した時期、担当者、業務内容によって、少しずつ増えていきます。
担当者が自分のパソコンへ保存した資料をメールで共有したり、急ぎの作業で別のフォルダーやクラウドサービスを使ったりすることもあるでしょう。
その場では業務を進められても、保存先を決めないまま運用を続けていくと、同じ種類のデータが複数の場所へ分かれてしまいます。
また、保存場所を知っている担当者が不在になると、必要な資料を見つけられなくなることもあります。
どこに保存されているかだけでなく、どの場所を正式な保存先として使うのかを、会社として決めておく必要があります。
よくあるつまずき
データの保存場所が整理されていないと、次のようなことが起こります。
- 担当者ごとに保存する場所が異なる
- パソコンの中だけに業務データが残っている
- 共有フォルダーとクラウドのどちらを使うか決まっていない
- メールの添付ファイルが正式な保管場所になっている
- 一時的に保存したデータがそのまま残っている
- 同じ種類の資料が複数の場所に分かれている
- どの場所を確認すればよいか担当者しか分からない
- 保存場所へアクセスできる人を把握していない
- パソコンの入替時に移すべきデータを判断できない
- 保存先がバックアップの対象か分からない
- データを移動した理由や移動先が記録されていない
- 担当者が変わると資料を探し直している
すべてのデータを一か所へ集めればよいとは限りません。
業務内容、利用者、データの重要性、共有方法を確認し、それぞれの役割に合った保存先を決めていく必要があります。
整備の進め方
まず、会社で使用しているデータと保存場所を確認します。
そのうえで、現在の保存先をそのまま使うもの、正式な保存先へ移すもの、追加確認が必要なものを分けていきます。
現在の保存場所を確認する
業務データが保存されている可能性がある場所を確認します。
主な対象は次のとおりです。
- 各パソコンの保存領域
- 社内の共有フォルダー
- サーバーやNAS
- クラウドストレージ
- 業務ソフト内のデータ
- メールの添付ファイル
- 外部の関係者と共有している場所
- USBメモリーや外付け機器
- 過去に使用していたパソコンや保存機器
保存場所の名称だけでなく、誰が使っているか、何のデータがあるか、現在も利用しているかもあわせて確認します。
利用状況が分からない場所は、不要と決めつけず、追加確認が必要な対象として分けておきます。
データの種類と利用目的を確認する
保存されているデータを、業務上の役割に沿って整理します。
例えば、次のような種類です。
- 顧客や取引先に関する資料
- 見積書、請求書、契約書
- 会計や給与に関するデータ
- 案件や作業の記録
- 商品やサービスに関する資料
- 社内の手順書や管理資料
- 写真や設計データ
- 一時的に受け取ったファイル
- 過去の業務で使用していた資料
細かなファイル単位から始めるのではなく、まずは業務やデータの種類ごとに、主な保存場所を確認していきます。
正式な保存先を決める
データの種類ごとに、会社として確認する正式な保存先を決めます。
正式な保存先を決めるときは、次の内容を確認します。
- どの業務で使用するか
- 誰が利用するか
- 誰が管理するか
- 社内外のどこから利用するか
- 共同編集が必要か
- 保存期間を決める必要があるか
- アクセス権限を分ける必要があるか
- バックアップの対象になっているか
同じ種類のデータについて、複数の正式な保存先を設ける場合は、それぞれの役割をはっきりさせておきます。
具体的な保存先や移行方法は、現在の機器、サービス、契約、データ量を確認したうえで確定します。
保存場所の役割を分ける
保存場所を、用途に応じて分けます。
正式な保存先
会社として継続して使用し、必要な人が確認できる場所です。
業務が完了したデータや、社内で共有するデータは、決められた場所へ保存します。
個人の作業場所
担当者が作業途中のデータを一時的に置く場所です。
作業完了後にどこへ保存するか、いつまで残すかを決めておきます。
受け渡し場所
社内外でファイルを受け渡すために、一時的に使用する場所です。
受け渡し後の正式な保存先と、不要になったデータの扱いを決めておきます。
保管場所
日常業務では使用しないものの、一定期間残す必要があるデータを置く場所です。
業務で使用する場所とは分け、必要なときに確認できるようにしておきます。
保存場所ごとの役割を分けておくことで、一時的な場所が正式な保管場所として使われ続けてしまうことを防ぎやすくなります。
管理する人と利用できる人を確認する
保存先ごとに、管理する人と利用できる人を確認します。
主に次の内容を整理します。
- 保存先の管理者
- 日常的に利用する人
- 閲覧だけが必要な人
- データを追加・変更できる人
- データを削除できる人
- 社外から利用できる人
- 担当者不在時の確認先
保存場所を整理する作業と、アクセス権限を変更する作業は分けて考えます。
権限変更が必要な場合は、業務への影響と承認者を確認してから進めます。
移動するデータを確認する
正式な保存先が決まった後、現在のデータをどのように扱うかを整理します。
次のように分類します。
- 現在の場所で継続して使用する
- 正式な保存先へ移動する
- 複製を残さず移動するか確認する
- 一定期間保管する
- 所有者や用途を追加確認する
- 不要かどうか確認する
データの移動や削除を、ファイル名や更新日だけで判断することはしません。
利用者、業務上の必要性、保存期間、バックアップ状況を確認したうえで実施します。
移動前には、対象、移動元、移動先、実施日時、確認方法を決めておきます。
保存ルールを決める
正式な保存先を継続して使えるように、最低限のルールを決めます。
例えば、次のような内容です。
- データの種類ごとの保存先
- 作業中と作業完了後の保存場所
- メールで受け取ったデータの保存方法
- 社外と共有したデータの保管方法
- 保存する人
- 内容を確認する人
- 保存完了の条件
- 保存先が分からない場合の確認先
細かな決まりを増やしすぎず、日常業務で迷いやすい内容から整えていきます。
変更内容を記録する
保存場所を変更した場合は、変更内容を記録します。
主に次の内容を残しておきます。
- 対象となるデータ
- 変更前の保存場所
- 変更後の保存場所
- 変更した理由
- 管理する人
- 利用できる人
- 実施日時
- 作業した人
- 移動後の確認結果
- 元のデータの扱い
- 未確認事項
保存場所の一覧や社内案内も更新し、実際の状態と記録を一致させておきます。
整備後に目指す状態
データの保存場所が整理されていれば、必要な資料をどこで確認すればよいかが分かるようになります。
担当者が変わった場合でも、会社で決めた保存先から業務データを確認できます。
一時的な作業場所や受け渡し場所が正式な保存先と分かれていれば、データが複数の場所へ増え続けてしまうことも防ぎやすくなります。
また、保存先の管理者、利用者、バックアップの対象を確認できれば、機器の入替やサービス変更が必要になったときの判断材料になります。
大切なのは、データを探せるだけでなく、会社として正しい保存場所を確認できる状態にしておくことです。
その場限りで終わらせないために
データの保存場所は、一度整理したら終わりというものではありません。
新しい業務やサービスの開始、担当者の変更、パソコンの入替などに合わせて、保存先の一覧とルールを見直していきます。
保存場所が分からなかったデータや、一時的な場所に残っていたデータが見つかった場合は、なぜ正式な保存先へ入らなかったのかを確認します。
その内容を保存ルールや確認項目へ反映し、次回の判断に活かしていきます。
アーテック福岡では、データを移動するだけでなく、現在の保存場所、正式な保存先、利用者、管理者、保存ルール、変更履歴までを会社のIT環境整備として整えていきます。