フォルダが増えすぎ、必要な資料を探せない
共有フォルダやクラウドストレージを使い続けていると、部署、担当者、年度、顧客など、異なる考え方で作られたフォルダが増えていきます。
資料が保存されていても、どのフォルダを確認すればよいか分からなければ、探す時間が増え、同じ資料を作り直すことがあります。
現在のフォルダ構成と利用状況を確認したうえで、業務で使用する場所、保管する場所、一時的に使用する場所を分け、必要な資料へたどり着ける状態に整えます。
困りごとが起きる背景
フォルダは、業務や資料が増えるたびに追加されます。
最初は分かりやすい構成でも、担当者ごとに異なる基準でフォルダを作ると、分類方法が混在していきます。
顧客名で分けたフォルダの中に年度別の資料があり、別の場所には年度別フォルダの中に顧客資料があるなど、保存場所を判断する基準が揃っていないこともあります。
また、既存のフォルダへ保存する場所が分からないと、新しいフォルダを作って対応しやすくなります。
その結果、似た名前のフォルダが増え、業務で使う資料、過去の資料、確認用のコピーが同じ場所に混ざっていきます。
フォルダを作った担当者には分かっていても、担当者が変わると、分類の考え方や保存場所を引き継げない場合があります。
よくあるつまずき
フォルダ構成が整理されていないと、次のようなことが起こります。
- 同じ名前や似た名前のフォルダが複数ある
- 担当者ごとにフォルダの分け方が異なる
- 顧客、年度、業務など、分類の基準が混在している
- フォルダの階層が深く、目的の場所までたどり着けない
- 「その他」「一時保存」「新しいフォルダ」が増えている
- 業務で使用する資料と過去の資料が同じ場所にある
- どのフォルダへ保存すればよいか分からない
- 同じ資料が複数のフォルダへ保存されている
- フォルダを移動すると、誰の業務に影響するか分からない
- 管理する人や見直す人が決まっていない
- 古いフォルダを削除してよいか判断できない
- 担当者が不在になると、必要な資料を探せない
フォルダ数を減らすことだけが目的ではありません。
資料の種類や利用方法に合わせて、どこを確認し、どこへ保存するのかを判断できる状態にする必要があります。
整備の進め方
まず、現在使用している保存場所とフォルダ構成を確認します。
そのうえで、よく使用する資料、保管している資料、用途を確認できない資料を分け、業務上必要な範囲から構成を整えます。
対象となる保存場所を確認する
フォルダを整理する前に、会社で使用している保存場所を確認します。
主な対象は次のとおりです。
- 社内の共有フォルダ
- サーバーやNAS
- クラウドストレージ
- 各パソコンの保存領域
- 業務ソフト内の保存領域
- 外部の関係者と共有している場所
- 過去に使用していた保存機器
- 一時的なファイル受け渡し場所
保存場所ごとに、利用者、管理する人、保存されている資料の種類、現在の利用状況を確認します。
現在使用しているか分からない場所は、不要と決めつけず、追加確認が必要な対象として分けます。
よく使用する資料を確認する
すべてのフォルダを一度に整理するのではなく、日常業務でよく使用する資料から確認します。
例えば、次のような資料です。
- 顧客や案件に関する資料
- 見積書、請求書、契約書
- 会計や給与に関するデータ
- 商品やサービスの資料
- 社内の手順書や管理資料
- 写真や設計データ
- 定期的に更新する一覧表
- 外部へ提出する資料
どの業務で使用するか、誰が使用するか、どの程度の頻度で確認するかを整理します。
利用頻度が高く、複数人が使用する資料を優先して、保存場所を分かりやすくします。
現在の分類基準を確認する
フォルダが何を基準に分けられているかを確認します。
主な分類方法には、次のようなものがあります。
- 顧客別
- 案件別
- 部署別
- 業務別
- 年度別
- 資料の種類別
- 担当者別
- 進行状況別
複数の分類方法を使う場合は、最初に何で分け、次に何で分けるかを決めます。
例えば、顧客別に分けた後に案件別で分けるのか、年度別に分けた後に顧客別で分けるのかをそろえます。
会社内のすべてのフォルダを同じ構成にするのではなく、対象となる業務で迷いにくい分類方法を決めます。
フォルダの役割を分ける
フォルダを用途に応じて分けます。
業務で使用するフォルダ
現在進行している業務や、日常的に確認する資料を保存する場所です。
担当者だけでなく、必要な人が同じ場所を確認できるようにします。
作業中のフォルダ
作成や修正を行っている途中の資料を置く場所です。
作業が終わった後の保存先と、完了を判断する条件を決めます。
保管用のフォルダ
業務では頻繁に使用しないものの、一定期間残す必要がある資料を保存する場所です。
日常的に使用する場所と分け、必要なときに確認できる状態にします。
受け渡し用のフォルダ
社内外でファイルを一時的に受け渡すための場所です。
受け渡し後の正式な保存先と、不要になったファイルの扱いを決めます。
追加確認が必要なフォルダ
利用目的や管理者を確認できないフォルダです。
すぐに移動や削除を行わず、確認する人と期限を決めます。
フォルダの役割を分けることで、一時的な保存場所が正式な保管場所として使われ続けることを防ぎやすくなります。
フォルダ名の付け方を決める
フォルダ名は、開かなくても内容や用途を判断できるようにします。
必要に応じて、次の内容を組み合わせます。
- 顧客名
- 案件名
- 業務名
- 対象年度
- 資料の種類
- 進行中、完了、保管などの状態
担当者しか分からない略称や、「その他」「仮」「新しいフォルダ」など、内容を判断しにくい名称は見直します。
ただし、フォルダ名だけで管理しようとすると名称が長くなり、運用しにくくなる場合があります。
フォルダ名、保存場所、階層の三つを組み合わせ、必要な資料へたどり着ける構成にします。
階層を見直す
フォルダの階層が深すぎると、資料を保存した場所や確認する場所が分かりにくくなります。
反対に、一つのフォルダへ多くの資料をまとめると、一覧から探しにくくなります。
現在の資料数と利用方法を確認し、必要な分類だけを残します。
同じ内容で細かく分けすぎているフォルダは統合を検討し、一つの場所に異なる用途の資料が混ざっている場合は分けます。
階層の深さを一定の数字だけで固定するのではなく、利用者が保存先を判断でき、必要な資料へ迷わず移動できることを基準にします。
重複するフォルダと資料を確認する
似た名前のフォルダや、同じ資料が保存されている場所を確認します。
重複が見つかった場合は、次の内容を整理します。
- それぞれのフォルダを利用している人
- 保存されている資料
- 現在も更新されているか
- 正として使用している場所
- 統合による業務への影響
- 残す必要がある過去資料
- 移動後の確認方法
同じ資料が複数ある場合は、どのファイルを正として使うかを確認してから整理します。
ファイル名や更新日時だけで判断せず、内容、利用状況、確認・承認の状態を確認します。
移動や削除の前に影響を確認する
フォルダやファイルを移動すると、利用者が保存場所を見つけられなくなったり、業務ソフトや共有設定へ影響したりする場合があります。
移動や削除の前に、次の内容を確認します。
- 対象となるフォルダや資料
- 現在の利用者
- 移動元と移動先
- 移動する理由
- 業務への影響
- 確認または承認する人
- 実施する日時
- 移動後の確認方法
- 元の場所をどのように扱うか
具体的な移動方法や影響は、現在の保存機器、クラウドサービス、共有設定を確認後に確定します。
用途や利用者を確認できないものは、推測だけで削除せず、追加確認の対象として残します。
保存するルールを決める
整理後の構成を維持できるように、最低限の保存ルールを決めます。
主に次の内容を整理します。
- 資料の種類ごとの保存先
- 新しいフォルダを作成できる人
- フォルダ名の付け方
- 作業中の資料を正式な場所へ移す時期
- 保管用フォルダへ移す条件
- 受け渡し用ファイルの扱い
- 保存先が分からない場合の確認先
- 構成を変更する場合の記録方法
細かな決まりを増やしすぎず、実際に迷いやすい業務から整えます。
変更内容を記録する
フォルダ構成を変更した場合は、変更内容を記録します。
主に次の内容を残します。
- 変更した保存場所
- 変更前と変更後の構成
- 移動した資料
- 変更した理由
- 確認または承認した人
- 作業した人
- 実施日時
- 利用者への案内
- 変更後の確認結果
- 未確認事項
- 次回の見直し時期
保存場所の一覧や社内案内も更新し、実際のフォルダ構成と記録を一致させます。
整備後に目指す状態
フォルダの分類と役割が整理されると、必要な資料をどこで確認すればよいか分かりやすくなります。
資料を保存するときも、担当者ごとの感覚ではなく、会社で決めた場所を選べるようになります。
業務で使う資料、作業中の資料、保管する資料が分かれていれば、古い資料や確認用のコピーを誤って使うことも減らしやすくなります。
担当者が変わった場合でも、フォルダ名と構成から資料の保存場所を確認し、業務を引き継げます。
フォルダ数を減らすことよりも、必要な資料へたどり着き、保存先を迷わず判断できる状態にすることを目指します。
その場限りで終わらせないために
フォルダ構成は、一度整理しても、新しい顧客、案件、年度、業務が増えることで変化します。
新しいフォルダが増えたときや、保存場所に迷うことが増えたときに、分類方法と保存ルールを見直します。
同じ目的のフォルダが繰り返し作られる場合は、利用者の問題として扱うだけでなく、既存の構成や名称が分かりにくくないかを確認します。
変更した内容と判断理由を記録し、次回の整理や担当者への引き継ぎに活かします。
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