使うデータと保管データが混ざっている
日常業務で使用するデータと、過去の記録として保管するデータが同じ場所に混ざっていることがあります。
保存されているデータが増えると、現在使う資料を探しにくくなり、古い資料や確認用のコピーを誤って使用する可能性もあります。
業務で使うデータ、参照のために残すデータ、保管期限や必要性の確認が必要なデータを分け、それぞれの保存場所と扱いを決めておく必要があります。
困りごとが起きる背景
業務データは、案件や年度が変わるたびに増えていきます。
作成時には必要だった資料でも、業務が完了した後は、日常的に使用するものと、経緯を確認するために残すものに分かれます。
しかし、使用を終えたデータを同じ場所へ残し続けると、現在使っている資料と過去の資料を区別しにくくなります。
ファイル名に日付や「旧」「過去」などを付けても、どの時点で保管へ移したのか、現在も残す必要があるのかが記録されていなければ、整理は進みません。
また、不要に見えるデータでも、契約、取引、社内手続きなどとの関係を確認せずに移動や削除を行うと、後から必要になったときに確認できなくなる場合があります。
データを減らすことだけを目的にせず、現在使うものと残すものを判断できる状態へ整える必要があります。
よくあるつまずき
使うデータと保管データが分かれていないと、次のようなことが起こります。
- 現在使用する資料と過去の資料が同じ場所にある
- 完了した案件のデータが日常業務のフォルダに残っている
- 古い書式や価格表を誤って使用している
- 確認用のコピーと正式なデータが混ざっている
- 保管する理由や期間を確認できない
- どのデータを移動してよいか判断できない
- 念のため残したデータが増え続けている
- 保管した場所を担当者しか知らない
- 保管データの管理者や利用できる人が分からない
- データを移動した日時や理由が記録されていない
- 担当者が変わると、必要な資料を探し直している
- 一度保管したデータが見直されていない
すべての古いデータを保管すればよいわけではありません。
業務上の必要性、確認する目的、保存に関する条件を整理し、残すものと追加確認が必要なものを分けます。
整備の進め方
まず、現在の保存場所と、そこに保存されているデータの利用状況を確認します。
そのうえで、日常業務で使うデータ、参照や記録のために保管するデータ、扱いを確認できていないデータに分けます。
対象となる保存場所を確認する
会社のデータが保存されている場所を確認します。
主な対象は次のとおりです。
- 社内の共有フォルダ
- サーバーやNAS
- クラウドストレージ
- 各パソコンの保存領域
- 業務ソフト内のデータ
- 外部の関係者と共有している場所
- USBメモリーや外付け機器
- 過去に使用していたパソコンや保存機器
保存場所ごとに、保存されているデータの種類、利用者、管理する人、現在の利用状況を確認します。
現在使われているか分からない場所は、不要と決めつけず、追加確認が必要な対象として分けます。
日常業務で使うデータを確認する
現在の業務で継続して使用しているデータを確認します。
例えば、次のようなものです。
- 進行中の案件資料
- 現在使用している見積書や提案書のひな型
- 更新中の顧客情報や管理表
- 現行の社内手順書
- 日常的に参照する商品やサービスの資料
- 現在の契約や運用に関する資料
- 定期的に更新する一覧表
使用頻度だけでなく、誰が、どの業務で、何のために使っているのかを確認します。
現在使うデータは、日常業務の保存場所から迷わず確認できるようにします。
保管するデータを確認する
日常的には使用しないものの、経緯や過去の状態を確認するために残すデータを整理します。
例えば、次のようなものです。
- 完了した案件の記録
- 過去に使用していた資料
- 提出済みの文書
- 以前の設定や構成に関する記録
- 変更前の手順書や管理資料
- 過去の判断内容を確認するための資料
- 一定期間残す必要がある業務データ
保存期間や保管の要否は、データの種類、契約、法令、社内方針などによって異なります。
具体的な期間を未確認のまま一律に決めず、確認が必要なものは保留として分けます。
データの状態を分類する
確認したデータを、次のように分類します。
使用中
現在の業務で使用しているデータです。
日常的に確認する場所へ置き、現在使う正式なデータが分かるようにします。
保管
日常的には使用しないものの、記録や過去の確認のために残すデータです。
使用中のデータとは保存場所を分け、必要なときに確認できる状態にします。
一時保存
作業中、受け渡し、確認などのために一時的に置いているデータです。
正式な保存先、移動する時期、不要になった後の扱いを決めます。
要確認
利用目的、管理者、保存する理由、削除の可否を確認できていないデータです。
推測だけで移動や削除を行わず、確認する人と期限を決めます。
この区分を設けることで、古いという理由だけで処分したり、必要性を確認せず残し続けたりすることを避けやすくなります。
保管へ移す条件を決める
どの状態になったら、日常業務の保存場所から保管場所へ移すのかを決めます。
主な判断項目は次のとおりです。
- 案件や業務が完了している
- 現在の業務では使用していない
- 新しい正式版へ切り替わっている
- 必要な確認や承認が完了している
- 今後は参照目的だけで使用する
- 保管する理由を確認できている
- 移動後の保存場所が決まっている
完了したことだけを理由に機械的に移動せず、関連する業務やほかの利用者への影響も確認します。
保管場所を決める
保管データは、日常業務で使用する場所と分けます。
保管場所を決めるときは、次の内容を整理します。
- どの種類のデータを保管するか
- 誰が管理するか
- 誰が閲覧できるか
- どのような分類で保存するか
- 必要なときにどのように探すか
- いつ見直すか
- 保管期間や削除条件の確認先
- 保存場所を変更する場合の記録方法
保管場所を増やしすぎると、再び保存先が分からなくなります。
現在の機器やサービス、データ量、利用方法を確認し、必要な範囲で決めます。
移動前に内容と影響を確認する
データを保管場所へ移す前に、対象と影響を確認します。
主に次の内容を整理します。
- 移動するデータ
- 現在の保存場所
- 移動後の保存場所
- データを利用している人
- 移動する理由
- 業務への影響
- 確認または承認する人
- 実施する日時
- 移動後の確認方法
- 元の場所に残るデータの扱い
業務ソフトやほかのファイルから参照されているデータは、移動によって利用できなくなる場合があります。
具体的な移動方法や影響は、現在の保存環境や利用状況を確認後に確定します。
古い資料やコピーの扱いを決める
古い資料や確認用コピーについて、残すもの、保管するもの、追加確認するものを分けます。
ファイル名や更新日時だけで、不要かどうかを判断しません。
主に次の内容を確認します。
- 正式なデータがほかにあるか
- 過去の経緯を確認するために必要か
- 顧客や外部へ提出した記録か
- 業務上の保存条件があるか
- ほかのデータと内容が重複しているか
- 利用者や管理者を確認できるか
削除を行う場合は、対象、理由、承認、実施結果を記録します。
変更内容を記録する
データを移動、保管、整理した場合は、変更内容を記録します。
主に次の内容を残します。
- 対象となるデータ
- 変更前の保存場所
- 変更後の保存場所
- 分類した状態
- 変更した理由
- 確認または承認した人
- 作業した人
- 実施日時
- 移動後の確認結果
- 元のデータの扱い
- 未確認事項
- 次回の見直し時期
保存場所の一覧や社内案内も更新し、実際の状態と記録を一致させます。
整備後に目指す状態
使用中のデータと保管データが分かれると、日常業務で必要な資料を探しやすくなります。
古い資料や確認用のコピーを、現在使う正式なデータと取り違えることも減らしやすくなります。
保管する理由、保存場所、管理する人が記録されていれば、担当者が変わった場合でも、必要なデータを確認できます。
要確認のデータを分けておくことで、判断できないまま削除したり、すべてを残し続けたりすることも避けられます。
古いデータを単に別の場所へ移すだけでなく、現在使うデータと残すデータを会社として判断できる状態にすることを目指します。
その場限りで終わらせないために
データは、業務や案件が完了するたびに増えていきます。
使用中から保管へ移す条件と確認方法を決め、定期的に保存場所と利用状況を見直します。
保管した後も、保存する理由が変わっていないか、管理者や保存場所を確認できるかを見直します。
使うデータと保管データが再び混ざった場合は、利用者だけの問題とせず、移動条件、保存場所、分類方法が分かりにくくないかを確認します。
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